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お知らせ

韓国における改正特許法が2017年3月1日から施行されています。

Date.2017年7月24日


韓国改正特許法が、2017年3月1日から施行されています。主な改正点は下記の通りです。
 

(1)特許出願の審査請求期間の短縮(59条)
・審査請求期間が出願日(PCT出願の場合は国際出願日)より5年以内から3年以内に短縮されました。
2017年3月1日以降の特許出願に適用。
 

(2)特許取消申請制度の新設(132条の2~132条の15)
・何人も、一定の取消理由に基づき、登録公告日後6ヶ月以内に限り、特許の取消を申請することができる。
・取消理由は、新規性、進歩性、ダブルパテント、拡大先願違反に限られます。
 但し、審査官が拒絶理由通知で引用した刊行物のみを根拠として特許取消申請をすることは不可。
・取消理由がある場合、特許権者に対し、訂正請求又は書面による反論の機会が与えられる。
・取消の決定に対しては、特許権者は裁判所に提訴することができる。
・取消決定が確定すると、特許権は初めからなかったものとみなされる。
・3ヶ月間の無効審判制度は廃止。
2017年3月1日以降に設定登録された特許権に対し適用
 

(3)職権再審査制度の新設(66条の3)
・特許査定後、新規性欠如等の明らかな拒絶理由を発見したときは、審査官は職権で特許査定を取り消し、職権で再審査することができる。
・但し、出願人が職権再審査による特許査定取消通知を受け取る前に、設定登録(特許料納付)、又は出願取り下げ又は放棄された場合、特許査定の取消は初めからなかったものとみなされる。
・2017年3月1日以降に特許査定された特許出願に適用。
 

(4)職権補正範囲の拡大(66条の2)
・特許査定の際に、明らかな誤記(例えば、誤字・脱字)の他、拒絶理由に該当する記載不備事項であっても明白に誤った記載については、審査官による職権補正が可能。
・出願人が職権補正に同意しない場合、特許査定は取り消され再審査される。
・2017年3月1日以降に特許査定される特許出願に適用。
 

(5)正当な権利者の出願可能期間の延長(35条)
・無権利者の特許の無効審決が確定した場合、当該無効審決確定後30日経過前かつ無権利者の特許の登録公告から2年経過前までにした正当権利者の特許出願は、当該無効にされた無権利者の特許の出願時に特許出願したものとみなされるとさていました。
 改正法では、無権利者の特許の登録公告から2年経過後であっても、正当権利者は、無権利者の特許の無効審決確定後30日以内に特許出願することが可能になりました(35条)。
・2017年3月1日以降に設定登録された特許権に適用。
 

(6)特許権の移転請求制度の導入(99条の2)
・正当権利者は、無権利者の特許権の移転を裁判所に請求し、裁判所の勝訴判決を受けて、特許権の移転登録をすることができる(99条の2)。
・2017年3月1日以降に設定登録された特許権に適用。
 

(7)外国審査結果提出命令制度の導入(63条の3)
・第1国出願を基礎とした優先権主張を伴う特許出願の審査において、審査官は、第1国出願の審査で引用された先行技術文献の提出を出願人に命じることができる。
・2017年3月1日以前に優先権主張した出願にも適用。
 

(8)特許無効審判における訂正請求の取り下げ時期の限定(133条の2)
・訂正請求は、以下の期間に限り取り下げることができる。

①訂正を請求ができる期間と、その期間の満了から1ヶ月以内

②訂正が認められないとして審判請求人に意見書の提出を求める期間

・2017年3月1日以降に訂正請求される特許に適用。
 

(9)当事者による侵害訴訟手続きの一時中止申立手続きの導入(164条)
・裁判所は訴訟手続きにおいて必要な場合、職権であるいは当事者の申立により、無効あるいは登録取消審理の決定がなされるまで、侵害訴訟の手続きを一時中止することができる。
・侵害訴訟の対象と同一の特許権に対する審理が行われる場合、当事者の申立により、裁判所は訴訟手続きを中止することができる。
・2017年3月1日時点で係属している全ての訴訟事件、及び2017年3月1日以降に提起される訴訟事件に適用。
 

(10)手続の追完期間の延長(改正特許法17条)
・出願人の責めに帰することができない事由により、拒絶査定に対する不服審判等の請求期間を徒過した場合、その事由が消滅した日から2ヶ月以内であれば手続を追完することができる。
・請求期間の満了日から1年を過ぎた後は追完できない。
・2017年2月28日までに従前の追後補完期間が経過した場合は改正前の規定が適用される。
 

(参照元)韓国特許庁HP” KOREAN PATENT ACT