OMNI

お知らせ

欧州特許庁における早期審査プログラム「PACE」の変更について

Date.2016年2月22日


 201611日以降EPO(欧州特許庁)は、早期審査プログラム「PACE(Programme for Accelerated Prosecution of European Patent Application)」について、以下のように運用を変更しています。

 

1.総論

(1) PACE請求は、調査段階と審査段階のそれぞれにおいて、1回だけ可能

(2) PACE請求は、非公開。

(3) 以下に該当する場合、出願はPACEプログラムから外され、2度目のPACE請求は認められない

 ・PACE請求の取下げ

 ・出願人による期間延長の請求

 ・出願の拒絶、取下げ、取下擬制

(4) 全て又は多くの出願について、PACE請求をした場合、EPOより、PACE請求の減縮が要求される。

 

2.調査段階

(1) 201471日以降のEP出願(EPOが国際調査機関ではないPCT出願経由を含む)については、拡張欧州サーチレポート(部分欧州サーチレポートを含む)が、EPC規則161(2)*1の期間満了の日から6ヶ月以内に発行されるため、今後、PACE請求は不要となる。

 

(2) 201471日より前のEP出願(EPOが国際調査機関ではないPCT出願経由を含む)及び優先権主張については、EPOは、PACE請求の受領後、6ヶ月以内に拡張欧州サーチレポート(部分欧州サーチレポートを含む)を発行するよう努力する。

 

(3) 補充欧州サーチレポートが作成されるEP出願について審査を促進させるためには、PACE請求ではなく、EPC規則161(2)及びEPC規則162(2)の通知を受ける権利を放棄しなければならない。

 

3.審査段階

(1) EPOは、審査部による出願の受領、EPC規則70a(拡張欧州サーチレポートへの応答)に基づく出願人の応答、又は早期審査請求のうち、最も遅いものから3ヶ月以内に次のアクションを発行するよう努力する。

 

(2) PACEプログラム下で処理される場合、EPOは、出願人の応答から3ヶ月以内に次の審査に関する通知を作成するよう努力する。

 

4.その他の審査の促進方法について

(1) EPOは、PACE請求以外の審査の促進方法として、EPC規則70(2)の通知(審査続行の確認通知)の放棄、及びEPC規則71(3)の更なる通知(許可予告後に補正を行った場合の更なる通知)の放棄を挙げています。

 

*1 EPC規則161(2)

(2) 欧州特許庁が Euro-PCT 出願に関して補充的欧州調査報告を作成する場合は,出願は、その旨の出願人への通知から6月以内に1回補正することができる。補正後の出願が補充的欧州調査の基礎として用いられる。

 

(参考元)

欧州特許庁「Changes to PACE programme from 1 January 2016

欧州特許庁「Notice from the European Patent Office dated 30 November 2015 concerning the programme for accelerated prosecution of European patent applications