限定要求(requirements for restriction)
1.限定要求とは
限定要求(requirements for restriction)とは、2以上の独立した別個の発明が一出願中にクレームされている場合に、審査官が出願人に対し、発明を選択してクレームを限定するよう要求することをいう(37 CFR 1.142(a))。
限定要求は、通常、実体的拒絶通知の前に行われる(37 CFR 1.142(a))。
2.限定要求の種類
限定要求には、狭義の限定要求(Requirement for Restriction)と選択要求(Election of Species)がある。
狭義の限定要求とは、審査官が複数のクレームを、独立した別個の発明毎に、グループⅠ、Ⅱ・・・に分け、出願人に対し、何れのグループを選択するかを要求するものである。
選択要求とは、一出願中に一つの属(generic)クレームと、それに包含される複数の種(species)がある場合に、属クレームが許可されないときに備えて、審査官が出願人に対して種を選択(elect)するよう要求するものである(37 CFR 1.146)。
また、合理的な数以上の種を含む場合にも、審査官は選択要求を行う前に合理的な数の種をクレームするよう要求することができる(37 CFR 1.146)。
尚、属(genus)とは他の一つの概念より広い又は他の2以上の概念を含む概念をいい、種(species)とは属に含まれる概念をいう。
3.限定要求の方法と応答期間
審査官は、電話や書面で限定要求を行う。
電話による場合、審査官は代理人に口頭で限定要求をする(MPEP § 812.01)。この場合、応答期間は、例えば1週間程度と極めて短い。迅速な対応が困難な場合には、審査官に対し書面による限定要求をするよう要請することもできる。
書面による場合、応答期間は2ヶ月(PLT批准により2013年12月18日以降)となる。また、応答期間は最大5ヶ月まで延長可能である(37 CFR 1.136(a)(1))。
4.限定要求に対する応答
(1) 狭義の限定要求の場合、出願人は、審査官が独立した別個の発明毎に分けたグループの何れかを選択するだけでよい。
選択要求の場合、出願人は明細書中の実施例、図面番号又は部材を選択し、かつ、選択した種に対応するクレームも示すことにより対応すればよい。
(2) 出願人は限定要求を否認(traverse)し、限定要求の再考を求めることもできる(37 CFR 1.143)。しかし、その場合にも出願人は、グループ等の選択をしておく必要がある(仮選択(provisional election)37 CFR 1.143)。
限定要求の再考を要求しても審査官が限定要求を撤回しない場合、出願人は米国特許商標長官に請願(petition)を提出することができる(37 CFR 1.144)。
尚、限定要求を否認する場合には、独立した別個の発明でないことの自白につながる可能性がある点に留意が必要である。
(3) 選択しなかったクレームの権利化
限定要求の際に選択しなかったクレームは、審査の対象から外される(37CFR 1.142(b))。
従って、これらのクレームについては、分割出願、又はRejoinderにより権利化を図ることが必要になる。
分割出願の場合、親出願と分割出願との間では、ダブルパテントの適用はない
(MPEP§804.01)。
Rejoinderの場合、出願人は選択しなかったクレームをCancelではなく、Withdrawn claimとしておく。すなわち、例えば、限定要求で物のクレームを選択する場合に、方法のクレームを物のクレームに従属するようにしておくと、審査官は、Notice of Allowanceにおいて、選択しなかったクレーム(Withdrawn claim)をクレームに再度組み込んで特許許可する。
(4) 結合クレーム(Linking Claims)
結合クレームとは発明同士が限定(restriction)されないように結合する働きを有するクレームをいい、具体的には、以下のようなものがある(MPEP § 821.04)。
①プロダクトクレームと、その全ての構成要件を含む製法クレーム(MPEP § 821.04(b))
②装置クレームと方法クレームとを結合する方法実現手段クレーム
③製造方法と使用方法とを結合する製造物クレーム
このような結合クレームが存在する場合、審査官は限定要求の際にどのクレームが結合クレームであるかを明示した上で、「結合クレームが特許された場合にはこの限定要求は取り下げられる」との表示をする(MPEP § 809.03)。
限定要求(requirements for restriction)
1.限定要求とは
限定要求(requirements for restriction)とは、2以上の独立した別個の発明が一出願中にクレームされている場合に、審査官が出願人に対し、発明を選択してクレームを限定するよう要求することをいう(37 CFR 1.142(a))。
限定要求は、通常、実体的拒絶通知の前に行われる(37 CFR 1.142(a))。
2.限定要求の種類
限定要求には、狭義の限定要求(Requirement for Restriction)と選択要求(Election of Species)がある。
狭義の限定要求とは、審査官が複数のクレームを、独立した別個の発明毎に、グループⅠ、Ⅱ・・・に分け、出願人に対し、何れのグループを選択するかを要求するものである。
選択要求とは、一出願中に一つの属(generic)クレームと、それに包含される複数の種(species)がある場合に、属クレームが許可されないときに備えて、審査官が出願人に対して種を選択(elect)するよう要求するものである(37 CFR 1.146)。
また、合理的な数以上の種を含む場合にも、審査官は選択要求を行う前に合理的な数の種をクレームするよう要求することができる(37 CFR 1.146)。
尚、属(genus)とは他の一つの概念より広い又は他の2以上の概念を含む概念をいい、種(species)とは属に含まれる概念をいう。
3.限定要求の方法と応答期間
審査官は、電話や書面で限定要求を行う。
電話による場合、審査官は代理人に口頭で限定要求をする(MPEP § 812.01)。この場合、応答期間は、例えば1週間程度と極めて短い。迅速な対応が困難な場合には、審査官に対し書面による限定要求をするよう要請することもできる。
書面による場合、応答期間は2ヶ月(PLT批准により2013年12月18日以降)となる。また、応答期間は最大5ヶ月まで延長可能である(37 CFR 1.136(a)(1))。
4.限定要求に対する応答
(1) 狭義の限定要求の場合、出願人は、審査官が独立した別個の発明毎に分けたグループの何れかを選択するだけでよい。
選択要求の場合、出願人は明細書中の実施例、図面番号又は部材を選択し、かつ、選択した種に対応するクレームも示すことにより対応すればよい。
(2) 出願人は限定要求を否認(traverse)し、限定要求の再考を求めることもできる(37 CFR 1.143)。しかし、その場合にも出願人は、グループ等の選択をしておく必要がある(仮選択(provisional election)37 CFR 1.143)。
限定要求の再考を要求しても審査官が限定要求を撤回しない場合、出願人は米国特許商標長官に請願(petition)を提出することができる(37 CFR 1.144)。
尚、限定要求を否認する場合には、独立した別個の発明でないことの自白につながる可能性がある点に留意が必要である。
(3) 選択しなかったクレームの権利化
限定要求の際に選択しなかったクレームは、審査の対象から外される(37CFR 1.142(b))。
従って、これらのクレームについては、分割出願、又はRejoinderにより権利化を図ることが必要になる。
分割出願の場合、親出願と分割出願との間では、ダブルパテントの適用はない
(MPEP§804.01)。
Rejoinderの場合、出願人は選択しなかったクレームをCancelではなく、Withdrawn claimとしておく。すなわち、例えば、限定要求で物のクレームを選択する場合に、方法のクレームを物のクレームに従属するようにしておくと、審査官は、Notice of Allowanceにおいて、選択しなかったクレーム(Withdrawn claim)をクレームに再度組み込んで特許許可する。
(4) 結合クレーム(Linking Claims)
結合クレームとは発明同士が限定(restriction)されないように結合する働きを有するクレームをいい、具体的には、以下のようなものがある(MPEP § 821.04)。
①プロダクトクレームと、その全ての構成要件を含む製法クレーム(MPEP § 821.04(b))
②装置クレームと方法クレームとを結合する方法実現手段クレーム
③製造方法と使用方法とを結合する製造物クレーム
このような結合クレームが存在する場合、審査官は限定要求の際にどのクレームが結合クレームであるかを明示した上で、「結合クレームが特許された場合にはこの限定要求は取り下げられる」との表示をする(MPEP § 809.03)。