経 緯
近年、地域の特産物や伝統的工芸品、あるいはその地域において提供される特色あるサービスなどを、いわゆる「地域ブランド」として差別化し、付加価値の向上を図って、地域産業の活性化や地域おこしをする動きが全国的に盛んになっています。
特許庁は、従来、このような地域ブランドに対し、全国的に著名になったものを除いて、商標登録を認めていませんでした。しかし、平成18年より地域団体商標制度を導入して、これらの地域ブランドを商標登録により保護されることになりました。
平成24年6月までに、約500件の全国各地の特産品等が地域団体商標として登録されています。
概 要
1.対象
地域団体商標として保護を受けることができるのは、「地域の名称」と「商品又はサービスの名称」からなる文字商標(地名入り商標)です。
例えば、以下のような商標が地域団体商標の対象になります。
・「地域の名称」+「商品(役務)の普通名称」 例)○○りんご、○○みかん
・「地域の名称」+「商品(役務)の慣用名称」 例)○○焼、○○温泉
・「地域の名称」+「商品の普通名称・慣用名称」+「産地等を表示する際に付される慣用名称」 例)本場○○紬、○○名産高菜漬け
しかし、図形等を組み合わせた商標、「特選」「特級」等の「産地等を表示する際に付される慣用名称」ではない文字とを組み合わせた商標(例「特選○○牛」)は、地域団体商標として登録できません。
2.出願人として認められる者
・法人であること
・事業協同組合等の特別の法律により設立された組合であること
・設立根拠法において構成員資格者の加入の自由が保証されていること
具体的には、事業協同組合、農業協同組合、漁業協同組合、酒造組合、森林組合等が該当します。
しかし、個人、地方自治体、社団法人、財団法人、株式会社、NPO法人及び商工会議所等は認められません。
3.周知性
地域団体商標として商標登録されるためには、その商標が需要者の間に広く認識されていることが求められています。
そのため出願に際しては、出願商標を商品又は商品の包装(出荷用段ボール、箱等)に使用していることが確認できるもの(写真、パンフレット等)や、その商品が県外等へ流通している事実を示すもの(例えば、出荷伝票・注文伝票等)を提出する必要があります。
4.出願手続
(1) 願書
・商標登録を受けようとする地域団体商標
・指定商品・指定役務
地域の名称と商品(役務)の関係が明確になるように記載します。
具体的には、以下の通りです。
・地域の名称が商品の産地の場合
「○○(地域の名称)産の△△(商品名)」
・地域の名称が役務の提供の場所の場合
「○○(地域の名称)における△△(役務名)」
・地域の名称が商品の主要な原材料の産地の場合
「○○(地域の名称)産の□□(原材料名)を主要な原材料とする△△(商品名)」
・地域の名称が商品の製法の由来地の場合
「○○(地域の名称)に由来する製法により生産された△△(商品名)」
(2)組合等であることを証明する書面
・登記事項証明書が必要になります。
・また、願書の【法人の法的性質】の欄に設立根拠法及び加入自由を定めた条項を記載しない場合は、「設立根拠法の写し」(加入の自由の定めを明示したもの)を提出する必要があります。
(3)商標法第7条の2第2項に規定する地域の名称を含むものであることを証明する書類
例えば、出願人又はその構成員が商標中の地域名に表された地域において商品を生産・加工等をしており、その商標を商品に使用していることを示す書面を提出する必要があります。より具体的には、商標、出願人の名称(又はその構成員の名称)及び商品が記載されているパンフレットやカタログ、新聞・雑誌等の記事、組合員名簿、内部規則、公的機関等の証明書等が挙げられます。
(4)商標法第7条の2第1項に係る商標として需要者の間に広く認識されていることを証明する書類
商標の使用により、出願人又はその構成員の使用に係る商品(役務)を表示するものとして一定程度周知となっていることを示す書類の提出が必要です。周知の程度については、例えば、隣接都道府県に及ぶ程度の需要者に認識されていることとされています。
より具体的には、出願人又はその構成員が出願商標を商品又は商品の包装(出荷用段ボール、箱等)に使用していることが確認できるもの(写真、パンフレット等)、その商品が県外等へ流通している事実を示すもの(出荷伝票・注文伝票等)などが挙げられます。
5.地域団体商標の登録例
・宇治茶、三朝温泉、四万十川の青のり、博多人形、飛騨アイスクリームなど
・その他の登録例に関する詳しい情報はこちら。
弊所の取り組み
OMNI国際特許事務所では、食と農林水産業の地域ブランド協議会や農林水産知的財産保護コンソーシアムに参画し、各地域における地域ブランド化の取り組みを支援しています。
<食と農林水産業の地域ブランド協議会サイトへ>
<農林水産知的財産保護コンソーシアムサイトへ>
経 緯
近年、地域の特産物や伝統的工芸品、あるいはその地域において提供される特色あるサービスなどを、いわゆる「地域ブランド」として差別化し、付加価値の向上を図って、地域産業の活性化や地域おこしをする動きが全国的に盛んになっています。
特許庁は、従来、このような地域ブランドに対し、全国的に著名になったものを除いて、商標登録を認めていませんでした。しかし、平成18年より地域団体商標制度を導入して、これらの地域ブランドを商標登録により保護されることになりました。
平成24年6月までに、約500件の全国各地の特産品等が地域団体商標として登録されています。
概 要
1.対象
地域団体商標として保護を受けることができるのは、「地域の名称」と「商品又はサービスの名称」からなる文字商標(地名入り商標)です。
例えば、以下のような商標が地域団体商標の対象になります。
・「地域の名称」+「商品(役務)の普通名称」 例)○○りんご、○○みかん
・「地域の名称」+「商品(役務)の慣用名称」 例)○○焼、○○温泉
・「地域の名称」+「商品の普通名称・慣用名称」+「産地等を表示する際に付される慣用名称」 例)本場○○紬、○○名産高菜漬け
しかし、図形等を組み合わせた商標、「特選」「特級」等の「産地等を表示する際に付される慣用名称」ではない文字とを組み合わせた商標(例「特選○○牛」)は、地域団体商標として登録できません。
2.出願人として認められる者
・法人であること
・事業協同組合等の特別の法律により設立された組合であること
・設立根拠法において構成員資格者の加入の自由が保証されていること
具体的には、事業協同組合、農業協同組合、漁業協同組合、酒造組合、森林組合等が該当します。
しかし、個人、地方自治体、社団法人、財団法人、株式会社、NPO法人及び商工会議所等は認められません。
3.周知性
地域団体商標として商標登録されるためには、その商標が需要者の間に広く認識されていることが求められています。
そのため出願に際しては、出願商標を商品又は商品の包装(出荷用段ボール、箱等)に使用していることが確認できるもの(写真、パンフレット等)や、その商品が県外等へ流通している事実を示すもの(例えば、出荷伝票・注文伝票等)を提出する必要があります。
4.出願手続
(1) 願書
・商標登録を受けようとする地域団体商標
・指定商品・指定役務
地域の名称と商品(役務)の関係が明確になるように記載します。
具体的には、以下の通りです。
・地域の名称が商品の産地の場合
「○○(地域の名称)産の△△(商品名)」
・地域の名称が役務の提供の場所の場合
「○○(地域の名称)における△△(役務名)」
・地域の名称が商品の主要な原材料の産地の場合
「○○(地域の名称)産の□□(原材料名)を主要な原材料とする△△(商品名)」
・地域の名称が商品の製法の由来地の場合
「○○(地域の名称)に由来する製法により生産された△△(商品名)」
(2)組合等であることを証明する書面
・登記事項証明書が必要になります。
・また、願書の【法人の法的性質】の欄に設立根拠法及び加入自由を定めた条項を記載しない場合は、「設立根拠法の写し」(加入の自由の定めを明示したもの)を提出する必要があります。
(3)商標法第7条の2第2項に規定する地域の名称を含むものであることを証明する書類
例えば、出願人又はその構成員が商標中の地域名に表された地域において商品を生産・加工等をしており、その商標を商品に使用していることを示す書面を提出する必要があります。より具体的には、商標、出願人の名称(又はその構成員の名称)及び商品が記載されているパンフレットやカタログ、新聞・雑誌等の記事、組合員名簿、内部規則、公的機関等の証明書等が挙げられます。
(4)商標法第7条の2第1項に係る商標として需要者の間に広く認識されていることを証明する書類
商標の使用により、出願人又はその構成員の使用に係る商品(役務)を表示するものとして一定程度周知となっていることを示す書類の提出が必要です。周知の程度については、例えば、隣接都道府県に及ぶ程度の需要者に認識されていることとされています。
より具体的には、出願人又はその構成員が出願商標を商品又は商品の包装(出荷用段ボール、箱等)に使用していることが確認できるもの(写真、パンフレット等)、その商品が県外等へ流通している事実を示すもの(出荷伝票・注文伝票等)などが挙げられます。
5.地域団体商標の登録例
・宇治茶、三朝温泉、四万十川の青のり、博多人形、飛騨アイスクリームなど
・その他の登録例に関する詳しい情報はこちら。
弊所の取り組み
OMNI国際特許事務所では、食と農林水産業の地域ブランド協議会や農林水産知的財産保護コンソーシアムに参画し、各地域における地域ブランド化の取り組みを支援しています。
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