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判例・実務情報

【外国、特許】主要国におけるクレームの従属形式について(改訂)



Date.2022年6月15日

1.クレームの従属形式
 
 国によっては、特許出願におけるクレームの従属形式に制限を課している場合があります。例えば、多数項従属クレームを引用する多数項従属クレームの(いわゆるマルチ-マルチクレーム)記載の禁止などです。
 
2.多数項従属クレーム(マルチクレーム)とは
 
 多数項従属クレーム(マルチクレーム)とは、下位クレームが上位の複数のクレームを引用する記載形式のことです。例えば、下記の例では、クレーム1~3を引用するクレーム5がマルチクレームに該当します。


 
3.多数項従属クレームを引用する多数項従属クレーム(マルチ-マルチクレーム)とは
 
 多数項従属クレームを引用する多数項従属クレーム(マルチ-マルチクレーム)とは、上位の複数のクレームを引用しているクレームを引用し、かつ、自分自身もマルチクレームであるような記載形式のことです。上記の例では、クレーム5がマルチ-マルチクレームに該当します。
 

4.各国で許容されている従属形式
 

 

多数項従属クレーム

(マルチクレーム)

多数項従属クレームを引用する

多数項従属クレーム

(マルチ-マルチクレーム)

 日本

×

 アメリカ

×

 EPO

 中国

×

 韓国

×

 台湾

×

 インド

オーストラリア

インドネシア

タイ

マレーシア

フィリピン

×

シンガポール

ロシア

×

 

(1)アメリカ
 多数項従属クレーム(マルチクレーム)は認められていますが、手数料USD 780(マルチクレームが1つでもある場合,複数あっても同一料金。また、small entityUSD 390micro entityUSD 195)がかかります(37 CFR 1.16(j))。
 多数項従属クレームを引用する多数項従属クレーム(マルチ-マルチクレーム)は認められていません35 USC 112)。
 また、独立クレーム数3全体のクレーム数20までは同一料金。独立クレームが3を超える場合、1クレーム毎にUSD 420が加算されます。全体のクレーム数が20を超える場合、1クレーム毎にUSD 80が加算されます。
 
(2)EPO
 クレーム数が16~50個まではEUR 235が加算され、クレーム数が51個以上EUR 580が加算されます。
 
(3)中国
 クレーム数が10を超える場合、1クレーム毎にRMB 150が加算されます。