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判例・実務情報

(日本特許庁) 特許庁が、産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会「特許制度に関する法制的な課題について」(報告書案)を公表



Date.2010年12月20日

 産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会は、今年4月から、特許制度に関するいくつかの法制的な課題についての検討を行っていたが、その報告書案が公表された。特許庁はこの報告書案の意見募集を行っている。

 報告書案によれば、制度の見直しを述べている主なものは、以下の通りである。

 ・通常実施権の登録対抗制度から当然対抗制度への移行

 ・仮通常実施権の当然対抗制度の導入

 ・侵害訴訟の判決確定後に、無効審決等が確定した場合の再審請求の制限

 ・侵害訴訟の判決確定後に、無効審決等が確定した場合の差止めの解除

 ・延長登録の有効性についての無効の抗弁を可能にすると共に、侵害訴訟の判決確定後に延長登録無効審決が確定した場合の再審請求の制限

 ・訴訟提起後の訂正審判請求の禁止と、審決予告制度の導入

 ・一事不再理(特許法167条)の第三者効の廃止

 ・無効審判の訂正請求における訂正の許否判断及び審決の確定を、請求項ごとに行うことの明確化

 ・訂正審判についても、訂正の許否判断及び審決の確定を請求項ごとに行う

 ・冒認出願に対する救済制度-設定登録後の特許権の移転請求

 ・公表態様を問わず、新規性喪失の例外規定の適用対象とする

 ・審査請求料・国際出願の調査手数料等の引き下げと、中小企業等減免制度の拡充および特許料の減免期間の延長

 尚、特許を受ける権利を目的とした質権設定の解禁、同一人よる無効審決請求の制限、差止請求権の行使の制限、職務発明訴訟における文書提出命令やインカメラ審理手続等の導入等については、引き続き検討することとされている。

(参照元) http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/shingikai/sangyou_kouzou.htm